肝臓週間 及び 日本肝炎デーについて


 世界保健機関(WHO)は、2010年に世界的レベルでのウイルス性肝炎のまん延防止と患者・感染者に対する差別・偏見の解消や感染予防の推進を図ることを目的として、7月28日を“World Hepatitis Day”(世界肝炎デー)と定め、肝炎に関する啓発活動等の実施を提唱しました。


 これにより、日本でも、同日を平成24年度から「日本肝炎デー」と定めました。


 また、「日本肝炎デー」を定めたことにより、毎年この日を含む月曜日から日曜日までの一週間を、「肝臓週間」とし、全ての方に対して、肝炎に関する正しい知識の普及啓発に取り組むこととしています。(広島県ホームページより参照)


肝臓週間の機会に肝臓病についての正しい知識を身につけましょう。

 

肝臓病は早期発見が大切です。

 

特に(B型・C型)肝炎ウイルスの検査を受けたことのない方には

 

検査をおすすめします。

 肝がんの原因の約60%は肝炎ウイルス(B型、C型肝炎ウイルス)です。

 

B型、C型肝炎ウイルスを早期に排除することが

 

肝がんを撲滅するのに最も重要です(B型はHBs抗原陰性化、C型はHCV陰性化)。

 

 近年、医薬品の目覚ましい開発により有効性および

 

安全性の高い抗ウイルス剤が発売されました。

●C型肝炎の治療

(インターフェロンを使用しない経口抗ウイルス剤)

 

 C型肝疾患に対しては、現在7種類の経口剤の抗ウイルス剤が保険適応となっています。これらの経口剤は、重度の肝硬変以外の方に適応であり、99%前後のウイルス治癒が得られています。また、治療期間も2から3ヶ月に短縮しています。抗ウイルス剤の選択については患者さんの状態にあった治療選択をする必要がありますので、一度は肝臓専門医の受診をお勧めします。

●B型肝炎の治療


 B型肝疾患に対しては、インターフェロン以外にラミブジン、アデフォビル、エンテカビル、テノフォビルといった4種類の核酸アナログ製剤が現在保険診療として認められています。これらの薬は効果も十分に認めますが、開始時期や中止時期を誤ると重篤な肝障害をもたらしますので肝臓病に詳しい医師の指示に従って治療を受けることが大切です。


●肝炎検査とフォローアップシステム

 

 肝炎ウイルスにたいする治療がなされていない人、感染に気づいていない人がまだ多くいらっしゃいます。肝炎ウイルスに感染しているかどうかは血液検査にて簡単にわかりますので、これまでウイルス検査を受けたことのない人はぜひ一度検査を受けて下さい(無料で肝炎ウイルス検査を受けることもできます)。また、ウイルス陽性者にたいして『広島県肝疾患患者フォローアップシステム』があります。ご登録いただくと年に1回受診の案内、最新の治療に関する情報や講演会開催の案内などのサービスを受けることができますのでご利用下さい。なお無料肝炎ウイルス検査、広島県肝疾患患者フォローアップシステムについての詳細は、広島県健康福祉局薬務課肝炎対策グループまでお問い合わせ下さい。

 広島大学病院は広島県の肝疾患診療連携拠点病院の任にあたっており、病院内に肝疾患相談室が設置されています。相談員が無料でご相談をお受けしますので、併せてご利用下さい。ご相談はお電話でもご利用いただけます。(電話番号:082-257-1541)。詳細は下記、広島大学病院肝疾患相談室のホームページをご覧下さい。

 

http://home.hiroshima-u.ac.jp/naika1/counseling/index.html

 

 

■監修・記事提供/広島大学病院  消化器・代謝内科教授茶山 一彰  先生

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